一般的なダイエットの意味は、食事制限や運動による減量や痩身を指します。通常、減量のためには消費エネルギーよりも、摂取エネルギーを少なくしなければなりません。食事量を極端に減らしたり特定食品だけを食べ続けたりするダイエット方法は、一時的には減量につながってもさまざまな不調を起こすおそれがあります。
また、ダイエットのために食事を抜くと体は栄養不足となり、かえってエネルギーを溜めこもうとします。その結果、やせたい気持ちとは裏腹に太りやすい体質を招いてしまうのです。ダイエットを成功させたいなら整った食生活を心がけましょう。
さらに近年問題になっているのが、若い女性の多くに過剰な「やせ願望」があることです。ダイエットの必要がないにも関わらず、極端な食事制限を繰り返すと健康トラブルのリスクが高まってしまいます。
食事をする時間
たんぱく質を3食しっかり食べることがやせるための必須条件ですが、食べる時間帯にもコツがあります。食事の間隔があいてしまうと筋肉の分解が始まるといわれるので、6時間以上あかないように工夫する必要があります。
また夜遅い食事は、エネルギーを消費しきれず脂肪としてため込まれるためNG。夕食は昼食の5〜6時間後、遅くとも20時までに食べ終えるのが理想です。それが難しい場合でも、寝る2時間前までには食べ終えましょう。
朝、昼、夜の食事時間を決めて、毎日のルーティンにしていきましょう。仕事や家事など自分の生活リズムに合わせて、やりやすいように設定してみてください。食事の時間が遅れてしまった! という場合でも、2時間以内に食べて調整すれば大丈夫。続けることで体内時計や消化活動のリズムが整って代謝がアップします。
どの時間帯の食事も栄養バランスよく食べたいですが、たんぱく質を基本に、糖質、ビタミン、脂質、ミネラルもそれぞれ意識して食べましょう。
糖質の過剰摂取
糖質の摂り過ぎは肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めると考えられています。
糖質はエネルギー源として必要な栄養素ですが、摂り過ぎるとエネルギーとして消費されずに体に脂肪として蓄積されてしまいます。
また一度に糖質をたくさん摂ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが多く分泌されます。
インスリンは血糖値を下げるはたらきを持つ唯一のホルモンで、細胞が血液中のブドウ糖を取り込んでエネルギーに変えるのを促す作用があります。
さらに体に脂肪が蓄積されるとインスリンのはたらきが弱まるため、肥満になるとますます多くのインスリンが必要になります。
インスリンを多量に分泌する状態が続くとインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)に負担がかかり、やがて必要な量を分泌することもできなくなります。
インスリンの量が足りなくなると、血糖値を下げることができず高血糖と呼ばれる状態が続き、糖尿病の発症につながるのです。